前回のブログで京都の素晴らしい日本庭園で見た灯篭のお話をしましたが、時間を少しとって、寺院の墓地を見てみました。見学したのは、昔ながらのお寺さん墓地(寺院墓地)ではなく、寺院の境内にあるのですが、比較的近年に整備された寺院霊園のようなスタイルの大型墓地を探し、行ってきました。
見学してまず感じたことは、「白御影のお墓しかない」ということです。京都でも「白川石」という御影石(福島県で産出する白河石とは全くの別物です)が取れ、また四国では「庵治石」や「大島石」など、国産のなかでも特に珍重され、とても高価な白御影が産出されるので、地域性で白御影が多いのかなと思いました。宗教上で「黒御影はだめ」とのことは聞いたことがないので、文化や地域の違いによるものの差かなと思います。この「文化の違い」は大切に守って欲しいと思いますし、無理に異なる押し付けるようなことはしてはいけないと考えます。
それと、関東の墓石形状とはことなり、一瞬、「どこからお骨を納めるのだろう?」と思うような造りになっています。関東では、「拝石」や「カロート蓋」という、いわゆる「蓋」があり、そこを開けると納骨室へお骨を納められるのですが、この点が大きく違いましたね。後は、花立や塔婆建の形状が異なるのも面白かったです。
神奈川、東京、千葉、少し遠くて埼玉、群馬までは工事に行くことがあるのですが、さすがに関西での施工は今までにありません(最高に遠くて仙台です)。「郷に入りては郷に従え」ですので、関西で工事を行うときは、しっかり勉強をして、現地を何回も見てから、図面を引かなければいけないなということを実感しました。とても良い経験でしたね。